「嫌い」の一念で上達することもある。
あらためて考えてみると
いままで筋金入りの「元野良」と生活をしたことはなかった、
ということなのだ。
ウチに来た当時のピスは野良とは思えないくらいキレイな状態で
目立った汚れもノミもほとんどなく、寄生虫もいなかった。
ここでふと「実は知らずに他人ん家のコを略奪してたのか?」
という疑問もわいてくるわけだが、今は不問に付してほしい。
チビはというと、彼を店頭に並べていたペットショップが
昔ながらの非常にラフな経営方針だったので
ノミも寄生虫も正に出血大サービスだった。
それでも、人間の家の軒先で生まれ育ったその流れで
文字通り箱入りでウチにきたのは間違いない。
だから、
このコを見た第一印象は
「ちっちゃくて、きちゃない」。
耳も頭の上にあるし
大きさから
少なくとも生後1ヶ月以上。
2~3ヶ月くらい?
ちっちゃくて、ほそっちぃ。
顔、胸、お腹、足、しっぽに
黒いタール状の汚れがべっとり。
顔の汚れは少し拭き取ったが
他はこびりついて取れないそうだ。
まだ薄い毛の隙間を大量のノミが所狭しと駆けめぐる。
小さなカラダに、このノミの量は明らかに多すぎる。
ノミ達は堂々と顔や目の回りも走り回っていた。
両目の大きさがちぐはぐで
これは左目が腫れ上がっているせいだと後になってわかった。
街の猫達は、そういう環境で生活している、ということなのか。
小さなダンボールに入れられて東京から電車で移動する間
そのコはほとんど鳴かずにくーくーと眠っていたらしい。
「チビより大物かも。」
そう言う相方に、「アンタも結構大物かも。」と思う。
汚れと泥とノミだらけの子猫を、膝に乗せてカラダを拭いてやる。
これは結構、勇気がいることじゃないだろうか?
少なくとも私は、「ノミ」という存在が頭に浮かんだ瞬間かゆい。
この記事を書いててすでにかゆい。
なんか前もこんなこと言ってたわけだけれども。
ポストに大移動していたアリ達が、台風一過の後ピタリといなくなり
ほっとしていた矢先の、「野良→ノミ→寄生虫?!」という連想で
内心、私はかなり躊躇していた。
器の小さいニンゲンだなぁ、とつくづく思う。
しかし、こうなった以上やらないわけにはいかない。
動物病院はとっくに閉まっている。
そしてピス、チビとは当分接触させるわけにはいかない。
家についたら、そのままお風呂場に直行する。
ノミ取りシャンプーで
洗っても洗っても出てくるノミを二人がかりで退治し
それでも取りきれないノミをピンセットで一匹一匹つまみコロス。
この作業、時間の経過とともに飛躍的に上達している自分に気付く。
おお。やればできる。
しかし、正直あんまり何度も経験したくはないぞ。
大方は昇天させたものの、どうしても全滅には至らなかったので
気持ちのかゆみは収まらないのであった。
長い長ーいお風呂タイム。
みんなぐったり疲れ切る。
ちび助は一日で色んな事があって、小さいのによくがんばった。
えらい。えらいぞ。
相方は夕飯も食べずに夜中までよくがんばった。
えらい。えらいぞ。
ピスとチビは、まだはっきりと子猫の姿を見ていない。
しかし、家中に流れる不穏な空気をひしひしと感じて
いる...のかいないのか。
この時点ではおそらく私の方がテンパっているので判別できない。
そして問題はまだまだ山積みだったりする。
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私の頭の中 →
そのコの縄張りは
ガレージの鉄門に
「オレはここにいないんだ...
その思いを
常に一点凝視。
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